「柔道、強いんだよね?この前集会の時に賞状もらってたもん。だから私、青山くんのことすごいなーって思ってたんだよ」

微笑みながら唇を動かす彼女はまるで天使がハミングしているようにみえた。
神は俺を見捨ててはいなかった。
彼女は学園のマドンナに相応しい、正真正銘の美少女だ。

一度も女と関わりを持ったことのない俺が恋に落ちるのは簡単だった。

また、消して結ばれることがないであろうこの恋の結末をおもうと、彼女の微笑みから顔を背けたい気持ちが足の裏から頭のてっぺんまで込み上がってきた。

時を同じくして、六組の教室の外では新たなクラスメイト達が十人十色の表情で教室の中を覗いていた。

最強のクラスだ。
誰かがそう呟いたのが偶然俺の耳に届いた。