「はぁー…」


ベランダに出て空を眺めて、真っ青な空に溜め息が出た。

教室の中にいたら、きっと遥を見てしまうから。

そんな私の暗い気持ちなんて知らない、雲のない青空にまた溜め息。


「(もーやだ)」


苦しませてるって分かったから。
分かったから、離れようと思ったのに。

……どこまでも、嫌いにはさせてくれないらしい。ずるい男。

そろそろ時間かと思い、教室に入ろうと振り返る、と。





「めぐ」


______どくんっ


心臓が跳ねた。

どくんどくんどくん
心臓が早く動き出す。


「な、に」


本当に、本当にどこまでもずるい男。
何で、こんなときに名前を呼ぶの…。


「遥…」