授業中も無意識に、遥を目で追っていた。
駄目なのに。遥は私のこと好きじゃないかもしれないのに。


「(…いや)」


もう、好きじゃない。
好かれてる自信なんて、これっぽっちもない。胸張って、彼女です、なんて言えない。


そんな私なんて気にせず、後ろの席の女の子と楽しそうに話す遥。
あんな笑顔、見たことないよ…。


はぁ、と溜め息をつき、バレないように遥を見る。


「っ、」


息が、止まるかと思った。
すぐに目を逸らす。

______遥も、私を見ていたから。


何で。
何で私を見てるの?

期待しちゃ、いけないのに。
心臓は、うるさく動き始める。

期待させるようなこと、しないでよ……。


その後は見るにも見れなくて、まともに授業は受けられなかった。