「どーも、テラ・ファミリアの方?」
渋味のまったく無い、かといって幼さもまた無い、若い男の声。
やけにフレンドリーな話し方が耳につく。
「そうだけど」
「もう気づいてると思うけど、お嬢さん、預かってまーす」
電話の話している声の向こうで、ケラケラと笑う声がした。
複数人か。
「…どこに?」
「あーあーお兄さん、そんな怖い声しないで、ね?
そちらに長身の男性いるよね?
その方が第四会議室まで来てくれたらちゃんとお返しするから。
まあ、来れたらの話だけどね。
関係者以外入れないから、ファイト♪」
いちいち勘に触る。
「ステルラの声を聞かせろ」


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