"別に怖くなんてなかったわ。来てくれるって分かってたから"


さっき俺とクリュっちに見せた笑顔、言った言葉がただの強がりだと分かったとき、

そして、ウィンクにスーちゃんの強がりをはがす力があると知った今、

クリュっちの言う通り、帰ろうと思った。


あとはウィンクにまかせれば大丈夫だ。


「ウィンク。この部屋のちょうど真下に、医務室があるから」


「分かったよ、ありがとう」


俺とクリュっちとオルビスは拘束した誘拐犯を一人ずつ担ぎ、
クルシオさんだけ誘拐犯一人とウルペース少佐を引きずって、

会議中で誰も歩かない深夜の廊下を歩いた。