関西弁野郎は壁に叩きつけられ、そのまま床にへたりこんでぐったりとした。
「デンス!危ない!!」
突然のスーちゃんの言葉に、その目線をたどってふと見上げてしまった。
関西弁野郎は俺から目を離したせいで俺の攻撃を食らってしまった。
でもそれは俺も同じで、
宙を舞うナイフから目を離した俺は、
降ってきたそれの攻撃をかわしきれずに、食らった。
驚いて見上げたためか、ナイフは俺の右目の眼球に着地した。
「いでっ」
「デンス…!」
スーちゃんがかなり焦った声で俺を呼ぶ。
ナイフが眼球を直撃したら、誰もの脳裏に失明という文字がよぎるだろう。
実際によぎった。


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