確かに。
テラ・ファミリアはルナ・ファミリアに
全般的に面倒を見てもらってるくせに、
テラはルナに何もしていない。
というか、軍人でもない私たちが、暗殺部隊の力になれるはずもない。
だから、ただ面倒見てもらってるだけの"居候"という表現は妥当だ。
いや、開き直ってるわけじゃないんだけど、
今この目の前のキツネのような目をした男とやり合っても無意味ってこと。
男は悔しそうに立ち去り、女性は私たちにお礼を述べて帰っていった。
これからは気をつけてね、お姉さん。
あ、あと、クリュ兄には惚れちゃ駄目よ。
だってクリュ兄は…。
私はそんなことを心の中で呟いた。


![アンジェリカ-angelica-[番外]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.787/img/book/genre7.png)