強気な女に裏あります。

ここに来てどのくらい経ったかな。
でも確実に一時間はまだ経ってないと思う。

ふと窓の外を見ると、いつの間にか雨が止んでた。



「また降るかな?早く帰ろ……」



頬に伝った涙を手で拭い、スカートのポケットに入ってる目薬を取り出した。

これはいつも持ってる。
目を腫れさせないみたいなやつかな。
明日腫れてたらみんなに質問攻めされそうだし。


目薬も付け終わり、もう一度ポケットに目薬を入れた。



「よし。完了。早く帰ろ……」



あたしは出入口の方に振り返った。



「……」


「……」



バチッと誰かと目があった。

まだ少しだけあたしの目には涙が溜ってて、視界が二重になってるからまだ誰だかは分からない。


――けど……。
見られた、のかな?