「てかさ!ゲンジツ見ろよ。確かに天音の女装悪くなかったカモだが、中身はコレだぞ?」
そう言って拓真がぐいっと俺を万里の前に突き出す。
「●ャイアニズム奨励、ジャイアマネン君だ。」
シツレイなやっちゃ……。
俺を目の前にした万里は途端にいきり立った。
「シツレイなコト言うな!彼女はそんな娘じゃないっ!」
「そんな娘なんだよっ!目の前にいるだろーが!!」
「違う違ぁーう!彼女は控えめで純情で可憐なんだーっ」
喚きだした万里に、廉太郎と貴史が慌てて間に入る。
「拓真…重病患者にいきなりそんな苛酷なリアル突き付けたらいかんぞ。」
「ば、万里っ、ひとまず妄想世界から戻って来い?」
それより君等、俺のミドルネーム否定しよーよ。
すっかりヤサグレてしまった万里の宥め役はキョウダイ一杯長男坊・貴史クンに任せて、俺達三人は疲れた溜息を吐いた。


