喫茶店を出て、カラオケにでも行こうと言う事になり移動し始めた。
「真琴ちゃんが気になるの?」
不意にそう聞かれ俺は我に返った。
隣で不思議そうに俺を覗きこんで来たのは華ちゃん。
この子は灰汁の強い彼女等の中で、正直オアシスのような娘です。
前方には千里ちゃんと蘭子ちゃんと真琴ちゃんがいて、俺は無意識に真琴ちゃんを見詰めてたみたいだ。
俺は「え、いや・・・」と言葉を濁しつつ、観念して頷いた。
「真琴ちゃんって……格好イイよね?」
「へ?……うん。」
「でもガサツってワケじゃなくて、ちゃんと女の子でさ……」
どっちかってぇと物腰は柔らかい。
華ちゃんは俺の言わんとするトコロが分からず、曖昧に「うん」と相槌を打つ。
「真琴ちゃんにはちょっとシツレイなのかもしれないけど、真琴ちゃんを見てると千里ちゃんの好みの男のタイプなのかなぁ…って。」
え?と驚く華ちゃん。


