あの日から万里は【天音チャン】にはーとぶろーくん。
「その娘の何にそんなに嵌ったんだよ。」
「ちらっと一瞬見ただけだろ?しかも会話皆無。」
「しかも片割れちゃんから情報は一切引き出せず仕舞い。」
そんな三人の疑問に、万里は恋する乙女の顔で胸の辺りを押さえた。
「うん・・・そーなんだけど。なんかこう身体中にびびっと電流が奔ったんだよ。ああ、もうこりゃ、運命だ~って・・・」
いや、それ静電気かなんかだって!
運命とか、お前の大きな勘違いだから!!!
万里は俺に視線を向け力強く言った。
「オマエの気持ち、俺にはよっく分かるから!お勧めはしないが密かに応援はしてやる。お互いがんばろーな!!」
まぁ・・・なんてイイ友だろう。
そう思いつつ、その爽やかな笑顔から引きつり笑いでさりげなく顔を反らす。
勘違いとはいえ、事実上その一途な想いを向けられてるわけで
・・・若干と言わず引いてマス。
薄情な友と思われようとも、早いとこ諦めてくれ、と切に願う。