それはそうと千里ちゃんは絶対俺が拒否ルと思っていたのだろう。
非常に忌々しげな顔をしていた。
ふはは。
千里ちゃん、恋する男をナメンナよ?
とまぁ、ちょっと鼻を明かしたような気で有頂天になっていたのも束の間。
ウィッグを付けられ、鏡越しにセーラー女子の自分に対面した時にはさすがにちょっと折れかかっていた。
いいのか、俺。
千里ちゃんとお近づきになるためとはいえ、セーラー服女子でホントに良いんデスカ!?
俺のアイデンティテーはどこ行った!?
そもそも俺のアイデンティテーってなんだったんだよ?
ここ、絶対男を捨てちゃいけない場面じゃない?
「・・・にしても、よくこんなサイズ持ってたのね?」
「ああ。それ、万里のよ。」
「・・・・」
・・・俺、親友と思ってたの、間違ったかな。
「勘違いすんじゃないわよ。万里が中学の運動会の応援合戦で揃えたコス。パーティーグッズのイミテーションだし。」
ああ、そーいうノリなら購入もアリだぁね。
・・・て、現在ガチで着てる俺が言う事じゃない・・・。


