『試してあげる』
―――そう言った千里ちゃんに家に入れてもらった俺は玄関でしこたま消臭スプレーを吹きかけられた。
・・・まぁ、許そう。
その後直ぐ、連れて行かれたのはリビングでも彼女のお部屋でもなく
・・・バスルーム!?
『とにかく男くささが消えるまで磨き上げてくるのよ。』
マヂでか!?
どうしていきなりこんな展開になるのか理解できないけど、期待するしかないでしょっ。
脳内バラ色絶好調で命令通りピカピカに磨き上げ、服は着てこなくてよいという命令通り、パン一でうきうきと千里ちゃんの部屋のドアを開け放った。
『入ってきましたぁ~。』
『じゃ。これ着て。』
あり?
顔面に投げつけられた服に、期待が見当違いと言うのは悟った。
ガッカリしつつも命令だ。
与えられた服を着ようとして――――
着ようとして、戸惑った。
いや、着方が分からないとかじゃねーけど・・・。