手を繋いで暫く黙々と歩いて



「…あ~…」



不意に隣の男が小さくぼやいた。





「…手汗掻いてきた。」


「ぷ…手汗?」


「笑うなよッ!俺は元来硬派なんだ!歴代カノジョとだって人前で手なんか繋いだ事ねぇの!」




ブツブツ悪態を吐いている拓真を横目に見て、ふっと顔が緩んだ。




……耳赤いし。







ポリシー曲げてまでして手を繋いでくれたのは私の為なんだな。

私が拓真の隣にいて傷つかないように……