たれかれ


それにさ



「君、カワイイ系好みだもんねぇ。」



拓真にはそれなりに恋愛遍歴があって、天音クン情報によると元カノはオシャレ好きな女の子らしい娘だとか。





拓真はちらっと私を見た後


「別に。」


と素っ気なく言った。




「別に、真琴にはそれが似合ってっからそれでいいんじゃね?…つか、俺から見たら真琴はちゃんと女だ。」




私はきょとんとして何度か瞬きした。

今まで男子には男女とかしか言われてなかったから…意外だ。




ほぼ真横と言っていい、拓真の横顔を不思議な気分で眺めていると、拓真がいきなりこっちを向いて手を差し出してきた。





「カップルに見えねぇってんなら、それらしい事でもしとくか。」



そう言って、ぼんやりしていた私の手を握った。







…カップル……ねぇ。




何に対して意地を張っているものなのか…計りかねるケド。







手を繋ぐ事は意外と嫌じゃない自分がいる。