扉に映るあたしの影に影が重なった。 体がぎゅっと温かいモノに包まれたかと思ったら 「……っん」 唇が重なった。 肩越しに覗く貴史がニッと笑う。 「アペリティフ♪……デザートは後のオタノシミ♪♪」 …………ヤラレタ。 不意打ちに赤くなった顔で固まっているうちに、貴史は悪戯が成功した子供みたいに得意げな顔であっはー☆と笑って部屋を出た。 ヘタレなのか単なる能天気なのか…… 計りかねるアンタがスキ。