一歩、天音が私に近づく。
「千里ちゃんは俺と一緒にいるの嫌だった?」
「…なこと、ナイ。」
顔を上げた私は涙を堪えるために眉間に皺を寄せたヘの字口で。
ここまで来てもカワイクない。
それでも天音は
「んじゃ、一歩進んで、付き合おーよ?勿論、カレカノになっても千里ちゃんの嫌がる事無理強いしないし!俺、カノジョにはこれ以上なく尽くすタイプだし!カレシの俺を試してみない?」
最初の時みたいに必死な態度が逆にジョーダン臭い告白をするんだから。
だから私も言ってやるわよ。
「そこまで言うなら試してやるわよ。…その代わり…」
「そ、その代わり……?」
またなんかトンデモない条件っすか?と天音が神妙な顔で喉を鳴らす。


