「で?何しに来たのよ。」
振り向いてイイとは言われてナイから、俺は壁を向いたまま。その問いに口を開いた。
「何でいきなり避けられるのかと思って。」
一瞬止まった音が再び続いて、それと同時に答えが返された。
「いきなりってわけでもないけど…こんなバカバカしい付き合い良く考えなくても不毛だから、止めようと思ったダケ。寧ろアンタの為でしょ。」
……バカバカしい。
そう言われたコトにちょっとダケ悲しくなる。
確かに女装までしてどーよとか自分でも思わないワケじゃないんだけどね。
ぽつん、と千里ちゃんが続けた。
「この間、偶然見ちゃったのよね。アンタが学校のカワイイ女の子と歩いてんの。」


