たれかれ


「ねぇ、千里ちゃんは?」


「今一足先に帰ってきたトコロだけど……」


「会いたいんだけど。」


「会いたくネぇって。」





……会いたくない…って。

やっぱり意識して避けられてたんだ?


よもやまさかの恋疑惑……






ごくっと俺は喉を鳴らした。





「……理由…知りたいンだけど…」



いや、いっそ本音を言えば知りたくねーっすけど。




そこで万里はすぅっと息を吸い込んだ。






「胸に手を当てて考えろッ!」






とんでもねぇ大音響に、木に留って寛いでいた鳥がバササッと大慌てて逃げてった。



耳キーンとしたじゃねーか。