たれかれ




今日こそは是が非でも千里ちゃんを捕まえて、話しなきゃ…っ!そんな思いで俺は放課後と同時に立ちあがった。




「あ、市川。」


廊下を走っていた俺を社会担当が呼びとめた。





「なんすか?俺今すっごく急いで―――」


「早まるなっ、若者よ!!」


「…別に早まっちゃいねぇけど。」


「そうか。一度言ってみたかっただけじゃ。」


「…帰ってイ?」


「社会科のレポート、集めたまま教室に置き去りのヤツな。職員室へ運んどいてくれ。」


「え゛ぇ~…」


「授業中にぼーとしとった罰だ。」


……千里ちゃんのコトで暫く頭いっぱいだったからね……





しゃーねーなぁと俺は元来た廊下を戻った。






そんなこんなで結局ちょっと遅くなって、片桐宅へ到着。

千里ちゃんいるかな?



インタフォンを押すとギャチャッと音がして出て来たのは、万里。





あ、そーいや今日水曜日で部活ねーんか。