万里が緩く首を傾げる。
「…そんなみんな動作荒いかな?俺、そんな気にしてねーけど、自分でそんな荒くナイと思ってるけど。」
「あ、確かに万里先輩も所作が柔らかいですよ♪」
にこっと応える夏葉ちゃん。
……だったら尚更、何故万里にしなかったんだろ?
「だって、王子様って呼ばれてるよーな万里先輩の物腰が優雅でも『いかにも』ってカンジじゃないですか。ここはガサツで無精で乱暴者っぽくていかにも腕白なクソガキみたいな天音先輩だからそこ萌えるギャップなんですよ♪」
……なんでしょ。
褒められてるカンジがまるでしない。
夏葉ちゃんが俺に向き直りニコッと特級の笑顔を浮かべる。
「接点もなく話したコトもありません。ケド、一目惚れではありません。切欠があって、暫く遠くから観察してみて、思ったんです。この人のコト好きだなって。もっと近づきたいって。」
だから付き合って下さい。
それは、それこそパーフェクトな愛の告白だった。