「ヒトとして当たり前の気遣いとか出来る人ってステキだと思います。」
「あ~…つまり例えると、ハサミを人に渡す時に柄の方を向けて渡す、とか?」
「それ揶揄になってないっ。俺昔『受け取れよ~』とか言ってハサミ投げてよこされたぞっ!……そう言われてみれば最近はそーいうのしないな。」
ちょっと非難っぽい貴史の視線をやり過ごしつつ
「意識して直した覚えもねぇけど最近の“あの格好”ン時とか無意識に気にしてたかも?」
心までオカマになるつもりは毛頭ないが、スカートを穿いて男らしく、はねーもんな。
それに男嫌い千里ちゃんに嫌われないよーに礼儀正しくは勤めてた。
「「「【天音ちゃん】効果絶大だな」」」
「…まぁ?」
悪いことではないだろう。


