いての間にか時はすぎ、
まいやんとみゅう、それに原点であるケイトは席を立ってしまった。
なんという放棄だ。
ほんの15分は大きいものだ。
明日来る、と言って店を出て行ったトラブルメーカー。
和紗は開放感でいっぱいだった。
和紗はちらりと霰に視線を合わすと、
パソコンをしているではないか…。
雪も先ほどのことが嘘のようにケーキを美味しそうに食べ始めた。
「和紗。」
「まいやんどうしたの?」
「どうしたのじゃないわよ。店長が殺しにくるわ」
ゾクッと寒気がキッチンの奥からした。
これは、や(殺)られるな。
「じゃ、あそこの奥のテーブルよ」
「イエッサー」
「それと霰さん。店長が呼んでましたよ。」
「ん。りょーかーい。
ほらほら雪行くからついといで」
雪はまだ食べ終わってないケーキを悲しそうに見つめて席を立った。
「新メンバーね。これから楽しくなりそうだわ」
「だねだねー。黒子増えたぜ!」
ケイトも話しに加わり楽しそうに言った。
メイドカフェは男が少なく、9割が女だから男が増えて喜んだ。
「もとはと言えばケイト君じゃないなの」
「なんで“バカ貴族”連れてくんのよ」
メイドと執事が固まっていると、またもや殺気が。
視線の主はあの人。
皆、自分の命が恋しいためそそくさと店内に“また”散ったのだった。