「取りあえずや。光、ナンパはあかん」
「告白だけど」
ケイトが言うが歯が立たない。
「これからここに通おう!」
「…」
この強烈さに皆黙る。
台風並みに強烈だ。
「あの、お帰りになられるのはうれしいんですが…」
和紗も苦笑い。
「ちょっと君?メイドさんに出だしはダメよ」
「あ、わかってます。段階を踏んでから」
流石の霰も呆れる。
「好きになってもらうように。和紗が付き合ってくれるのをokしてからな。
俺、フェミニストだから」
顔と似合わないことをいい、またもやぽかん。
その時、雪は立ち上がった。
「姉さん俺、ここでバイトするわ」
「雪?」
和紗はあまりの出来事に目をパチクリさせた。
「即面接受けるから」
「もう店長に顔出したるから大丈夫!いつでも採用してくれるから☆」
「姉さん…どんだけ押すんだ」
「やってくれる気が出て良かった!」
霰は目をキラキラ輝かせている。
雪は目をそらすと、その目線を光に向ける。
「錦戸とか言ったな?」
「ああ錦戸光だ」
「こいつにちょっかいは出すな
わかったな?」
しばしの間があり、光はまた口を開いて雪を睨んだ。
しかし雪はなんともないような感じで立っている。
「お前誰だよ」
「津守雪。このアホの幼なじみだ。」
「この展開でアホ呼ばわりするか、雪」
「あ、すまん。つい」
「ついじゃない!ここでフラグ折るとか!」
「別にお前に恋とかしてるわけじゃないし」
「そうだね。雪、正しいよ」
なんとなーく納得した和紗。
ガッツポーズを雪に見せた。
「別に誰が和紗に好意を寄せようがいい。
和紗が嫌がってなかったならな」
惚れそうな言葉を受け止め、キラキラと瞳を輝かす彼女。
「よっかっこいいよ!我が幼なじみ!」
「ありがとう
フラグブレイカーだがな」
「えー残念だなぁ~。
けしからんもっとやれ」
前後の文が同じ人間が話したようにみえない。
みゅうはひとり盛り上がっている。
それにまいやんは頭を抱える。
彼女、みゅうは実はとんでもないハイテンションの持ち主である。
普段は可愛い女の子だが、一度ツボに入ると暴走するのだった。
「お前なんぞに和紗が守れるか!」
「一応ここ17年は守ってきた。彼氏がいたらこんなことしねーのに…」
「おいこら雪。」
やはり強烈なブレイカーだ。自称で言うほどある。