結構大きめの声で言われて、和紗はまたもや


頭ぽかーーん。




「…」



いきなり叫んだ男に、霰や雪、それにみゅうもびっくり。



「ああ…ありがとうございま」


「一目惚れした!」







「はぁー?!」

今まで黙っていたケイトが一番驚いている。



「凄まじく可愛いな!俺の…」

「連れてきたらこれかバカ」


「バカ?!誰が?!」





彼は、キョロキョロと辺りを見渡す。



「やっぱり連れてくるんじゃなかった…」




ケイトはがっくしと肩を落とす。


「和紗!付き合ってくれ!」







店内にいた客は一気に和紗達を見た。




「はあああ?!」






付き合うとは大きくわけて、2つある。



ひとつは、ちょっとついて来てくれの“付き合う”。



もうひとつは、恋愛のお付き合いでの“付き合う”。



この状態でまず、ちょっとついて来てくれの意味を取るのはよほどの鈍感しかいない。


しかしそんな鈍感はここにはいない。




勿論和紗の予想も鈍感ではないからー…






「からかうのもいい加減にして下さいますでしょうか?」


にこやかに営業スマイルをぶちかます。



「いや、本気だ。」


「メイドが固まってどうしたのよ?」


「…まいやん」




流石のこの騒ぎに休憩中のまいやんもテーブルに不思議そうにやってきたが、

この騒ぎの種である奴を見て、顔が曇った。




「あんたか騒ぎの主は」

「あれ?まいやんも知り合い?」





まいやんの目は鈍く光り、うざったらしそうに言った。




「こいつはあたしのクラスの錦戸光。




いつもとてつもないことをしでかすと言う強者。」



「しでかすって、普通じゃないかな?」




サラッと言う錦戸光(にしきど ひかる)をギャラリー達は、
彼が普通ではないと言うことを悟ったのだった。