ビー玉と、君と。



朝。

みずきくんが、

いなくなる日。

今日なんて、

来なければよかったのに。


「なの……」


気付けば、みずきくんが

あのとき見たような

寂しそうな笑顔を

私に向けていた。

それを見たら、

泣いてしまった。

「ぅ……ぇっ、ふえぇ…………

やだよぉ……」

そしたらみずきくんは、

何も言わずに

頭をぽんぽんってしてくれた。

それは本当に、

優しくて、あったかくて。

それでも涙は、

とめどなく溢れた。



私がひとしきり泣いた後、

みずきくんは、

私に何かを握らせた。

それは、

深い青色をした、ビー玉。

「それを太陽にかざすと、

 すごく綺麗なんだよ、」

かざしてみると、

「わぁぁ…綺麗……」

どこまでも透明で、

透き通ったビー玉は

綺麗で、眩しくて。

唐突に、

みずきくんだ、って思った。

何だか、また泣けてきた。

「泣かないで、なの。」

みずきくんは、

いつまでも優しかった。

「おれたち、また会えるよ。」

みずきくんは、

きっとね、って、

笑って見せた。

「やくそく、だよ…」

私とみずきくんは、

指切りして、

さよならしたんだ。



くわがたは、

見つけられなかった。