「なのーっ!!」

私を呼ぶ、声。

何処か懐かしい気がして。

私も、あなたの名前を呼びたい。

そんな衝動に駆られる。

でも、

「………」

それは、透明すぎて。

思い出せないーーー。



「菜乃?なーの?菜乃っ!!」

私を呼ぶ、声。

はっとして、目が覚める。

「菜乃、寝ちゃってたよ!」

そう言って笑うのは

親友のあゆみ。

私は、夢を見ていた。

とても懐かしい夢を。

「菜乃、またあの夢見てたんでしょ?」

「えっ、あー……」

あゆみには全部お見通しだった。

そう、あの夢。

あの、懐かしい日々ーーーー。