「あら、入部希望の方?」

その人はとても生徒とは思えないほど大人びていた。やはり高校三年生だからだろうか。本から目を離して美月を見た。

美月は「はい」と言って3人分の入部届けを出した。

その人は優雅な仕草でそれを受け取る。

「あらあ、三人も。これにサインして先生に出せば私も引退かあ。」

その人は安心してそうに、少し寂しそうに溜め息をついた。

しかしその次の瞬間はぱっと明るい表情になり自己紹介を始めた。

「私はこの部活の部長、森蓮華です!今日で引退しちゃうけど、部活の説明と、これからの説明をしますね!」