座敷わらしとわたし


「秋と一緒に座敷わらしさんのお世話をすることよ!」
「「えーーーっ!」」

私が驚いて叫ぶのと同時に、誰かの声も重なる。

誰?と見てみると、そこにはぬいぐるみの中にいるはずの座敷わらしがいた。
しかも喜んでいた。

「ちょっと!なんで出てくるのよ」

美月はそれを見て言った。

「丁度いいわ!この子が座敷わらしさんよ!健」

そして健から離れてその子を持ち上げてみせた。

ああ、今なら冗談で誤魔化せたのに。

私は落胆してうなだれる。