座敷わらしとわたし


意を決して、私はベンチへ歩いていった。

物を投げたら届きそうな距離まで美月に近づいて、歩きながら缶紅茶を投げた。
それはゆっくりと放物線を描き、美月の白い手に収まる。

私はそれを見届けながらベンチに座った。