私達は、校門から出てすぐに見える住宅街をいつものように歩きながら、しばらく関係のない雑談をしていた。

そして公園に入った。

美月がゆっくり話すには丁度良いと提案したのだった。


ベンチに座りいよいよだ、というときに私は「ちょっと飲み物かってくる」と言って公園の傍にある自動販売機へ逃げるようにして向かった。


まず自分の分のお茶を買い、美月の分の冷たい缶紅茶 を買った。

取り出す時に感じた缶の冷たさが、私の心まで冷やしていくようだった。

もう逃げるのは許されない。

嫌われるのを覚悟して、奇妙に思われるのを覚悟して話さなければ。

美月に嘘をつくなど私には出来ない。勿論隠し事も