ひらひらと何か赤いモノが私の目の前を通り過ぎたのである。いや、通り過ぎたモノはまたこっちへ向かってきて-−−

止まった。それをよくみると、全長約三十センチで三頭身、バッサリおかっぱな髪型、くりくりした真っ黒な瞳、そして赤い生地に華やかな刺繍が施された着物を着ていた。

それは、呆然として言葉が出ない私をまじまじとみつめていた。


そう、これが彼女と私の出会いである。