座敷わらしとわたし



その瞬間。

どんっと音がなり、私は大きな振動を背中を中心に全身で感じた。

まるで和太鼓をすぐそばで叩かれてるかのように振動は内臓にまで響いた。

はあ、またか、と溜め息をついてふらつきながら振り返った。

「はよう!霧島」

その振動は背中をたたかれたためのものだった。そして叩いたのは、幼馴染みの森谷健だった。

「おはよ…って、いきなり背中叩かれるのは寿命縮まるからやめてって言ってるじゃない」

「ははは…力加減がいまいち分かんなくてさ」

「んっとに馬鹿力なんだから」

そう、こいつはいわゆる体育会系タイプの男子で少し天然が入った性格だ。

たくましいからか女子にはそこそこ人気だが、恋愛対象にはなりにくい、そんな奴だった。