30分後



(ピンポ~ン)




「は~い」




(ガチャ)




「トモキ君
ゴメンね、上がって」




「おじゃましま~す」




私の部屋に入り




「セイラ、急用って?」




「別に急用じゃ~ないんだけど」




「はぁ~あ?
急用じゃね~なら
明日でいいだろ~が」



そうなんだけど・・・

でも、でもね・・・


何か渡しづらくなってきた




「セイラって?」



なんか恥ずかしくて
顔も見れなくて

変に緊張・・・




「・・・早めに渡したほうが
いいかな~って思って

はいこれ、お守り」



照れくさい・・・


お守りを差し出した




「オレにか?」




「うん、受験頑張って」




トモキ君は
お守りを見て



「あぁ、頑張るよ
ありがと~な」




「三人共、同じ高校に
行けるといいね」




「あぁ、受かるといいけどな

セイラ・・・
シュンのことスキか?」




「何聞いてんの
大スキに決まってるじゃん」




「・・・セイラ」




「何!?」




トモキ君は
お守りを見つめ



「いや別に
オレ帰るな、マジありがと~な」




「うん、気をつけて」




トモキ君の背中は淋しげで

部屋をあとにした。