・・・

部署に戻ると、

茉緒が帰り支度をしていた。

・・・

「今終わったんですか?」

「うん・・・

類はどうしたの?」


「オレは、生地会社にちょっと用で」

「そう…お疲れ様」


「茉緒?」


・・・

少し元気がないような気がして、

腕を掴んで呼び止めた。

「何?」

「何かあったんですか?」

・・・

オレの問いかけに、

微笑んだ茉緒。

「何もないわよ?」

・・・

いや、何かあったんだ、

そう思った。

・・・

オレは、

茉緒を引き寄せ抱きしめた。