私は記憶を消して洞窟の中にいた
ただ頭の中には上の世界で戦っていた記憶
上の世界には戦友がいた記憶
どうしてこの場所に来てしまったかは覚えていない
しかし生きるために戦い続けなければならないことは、本能が悟っていた
『戦わずして生きる。それを望むのが普通だろう。しかし生きるとは戦い。避けては通れぬ。ここに魂があるならば戦え。ひたすら、立ち止まらず走ったならばあのキレイな場所に近づける。お前の上に行くための戦い』
どこからかそう俺に伝えてきた声…
何か懐かしい感じがした…
声を信用して俺はただひたすらその穴の中で狩り続け、その洞窟に落ちてきた屍を積み上げてきた。
どのくらいの期間がかかったかわからない
狩り続けている途中にまた懐かしい声が聞こえてきた
『上に上がりきったならば…見ることができるだろう。朽ち果てた戦場が…きれいな世界が…そう。地道の洞窟で狩り続け、洞窟を抜けたならば、また始まる。生きている限り戦わなくてはならない。きれいな世界にいることも気持ちがいい…しかし平凡な世界に変わりぬしをダメにしてしまう。お前は地道の魂を持ち続けろ。それまでに自分を強くしてくれた屍のため、自分の道を守るため。』
そう…そして永い時間をかけて私は洞窟を登りきった
そこには新たなる世界が…