廊下を歩いていると、安西を見つけた。 安西もあたしに気付き、近づいてくる。 「あんた、桜だっけ?」 「え…?」 「名前。」 「うん…」 「悪ぃね、あんなことしちゃって。」 「聞いたよ、安西さんってあーゆーことは好きじゃないんだね。」 「美香でいいよ。あたしらは、あんな卑怯な真似なんてしたくない。」 「でも、なんで…?」 「麻奈美、あたしらが言ったことはたとえ冗談でも本気にするからね。」