樹海を泳ぐイルカ






「あんたたち、よってたかって攻撃するなんて格好悪いね」





後ろから、透子の冷たい声がした。

暗い夜、透子の声が罵声を切り裂くように響く。


あたりは急に静かになった。







「は?誰だよお前」


中谷のドスのきいた声が静寂をやぶる。


そしてまた、ざわめきが戻ってきた。

「世良の女?」
「まさか。こいつに女とかありえねぇって…」
「結構可愛いじゃん」