そんな僕の馬鹿話は夕方まで続いて、透子はよく耳をかたむけて聞いてくれた。 僕は幸せだった。 僕の声が透子の耳に届いていることが嬉しくてたまらなかった。 僕の言葉に笑う透子は何よりも美しかった。 だけど、そんな僕だって気付いてはいたんだ。 透子が時々、ものすごく遠くをみていることに。 だからこそ僕は馬鹿になって、笑い話を続けた。