「え?」
母さんは眉間にしわをよせたまま目を丸くしている。
「そうでしょ?母さん」
僕は薄ら笑いを浮かべて母さんをみた。
すると、母さんはみるみるうちに顔が赤くなっていき目をつりあげて形相が変形していく。
「いい加減にしなさい!!!!」
悲痛な怒鳴り声が静かな我が家に響き渡った。
僕は、体をプルプル震わし怒りが全身からこみ上げている母さんの横をスルリと通り過ぎた。
母さんの熱い横顔と、僕の冷ややかな横顔がすれ違ったとき
何かがパリンと割れたような音がした。
僕と母さんにしか聞こえない音で。
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