透子が笑った。 「びっくりした?」 だけど、目が少しも笑っていない。 どこかよそよそしい笑顔。 「だけどあたしは正真正銘、実の兄が好きな実の妹」 そして、その笑顔すらゆっくり消えていく。 まるで、静かに溶ける雪のように。 「……軽蔑する?」