「透子!!」 振り向いた透子の姿にやんわりとした目眩がしたのは、透子を照らす太陽のせい? 「何その手に持ってる本は?」 「イルカのこと調べてみたんだ」 「ほんとに?!見せて見せて!!」 図鑑を広げると透子は食い入るように見入った。 僕も同じように眺めた。 「……キレーイ…」 思わずもれた透子の言葉に、ただ頷く。 写真のなかの青い海を泳ぐその姿をみれば誰だって透子の言葉に納得せざる得なくなると思う。