それから僕らは何を話すわけでもなく、ただ隣にいた。 取り巻く空気は暖かくて、それが何だか心地良かった。 たまに透子の華奢な肩と僕の肩ぶつかると、それだけで 心臓が早くなる。 顔が暑くなる。 喉が乾く。 気付けば生暖かい通り雨がやんで、清々しい空が僕らの頭上に現れた。 目眩を覚える眩しい青。 緩やかな風が透子の髪をすり抜けていく。 僕らは果てのない永遠を見上げていた。