「あたし、学校いってないの」 透子が横をむいて、樹海を真っ直ぐみつめる。 そんな透子の横顔を僕はジッとみつめた。 透子をつくる曲線の丁寧さに美しいという言葉はピッタリと当てはまる。 静かな空気のなかで僕の心臓の音だけがうるさかった。 透子に聞こえてないことを強く願った。