「学校、行ってたの?」 透子が横目で僕の制服をまじまじと見つめる。 「うん」 「くだらなかった?」 「そうだね、くだらなくて…そう、みんな玩具を探してるんだ」 少しだけ吐き気がする。 脳のなかで、みんなの卑しい笑顔が蘇る。 なんで僕が? なんで僕だった? 僕は、ただ、父さんになりたい。 父さんにならなくちゃいけないだけなのに…… 「彼方、…顔青いよ?」 「……平気…平気だから…それより透子のほうこそ学校は?」 少し頭痛がするなか僕は霞む視界でゆらめいて見える透子に訊ねた。