僕は呆然と透子との過ごした場所が崩れていくのを見上げた。 こんなふうにどんどん移り変わっていく。 消えていく。 僕らが過ごした時間── 「こらっ、何入ってきているんだ!帰れなくなったらどうする!危ないから早くでていきなさい!」 汗だくになった工事のおじさんがしかめっ面をして僕を追い払う。 消えていくんだ、これからきっとたくさん 透子と過ごした時間が… 僕は手に思いっきり力をいれて握り拳をつくり消えていく廃墟を背に全力疾走で走り出した。