暗い室内で見渡す限りの青だけが眩しい。 閉じこめられた空間で、皮肉なくらい優雅に華麗に踊る色彩豊かな魚たち。 赤と青と黄が滑らかに交差する。 僕が目で魚を追いかけているとガラス越しに透子がみえた。 透子は目を細めて水槽のなかに見入っていた。 まるで自分も一緒に泳いでいるかのごとく。 「……キレーイ…」 「…うん。色が溶けあってる」 そこは極彩色の楽園だった。