「……透子!」 透子が振り向く。 ああ、僕はこの横顔に何度めまいをおこしただろう? 「どうしたの?」 汗だくになり肩で息をする僕に、何かを察したような表情でたずねた。 僕は荒れた呼吸を整えて、息をのみ答えた。 「──水族館へいこう」 太陽がキラキラと輝いて僕らを照らしていた。