樹海を泳ぐイルカ



「Xを、この式に代入して…」



教室のドアをあけると懐かしいチョークの音がとまって教室中が静まり返った。


「おぉ、世良じゃないか。みんなお前がこないから心配してたんだ」




担任の嘘くさい笑顔。

クラスメイトのひそひそ声。


みんなが僕をみている。






「キャー!!!!」


女子の悲鳴。




僕は一番近くにあった机を蹴りとばしていた。


机はガシャーンと派手な音をたてて、倒れた。