樹海を泳ぐイルカ



音のない世界にいるみたいだった。



すべてがスローモーションのような動きで

混沌とする意識。


口はまだ血の味がする。


母さんが僕にしがみつき泣きわめいているが、それすらも現実味がなかった。


海のなかに




いるみたいだった。